今回の記事では、台湾(主に台北市・新北市周辺)の不動産事情について触れてみたいと思います。
台湾(特に台北市)は、日本(主に東京都比較)よりも不動産価格が高いです。
2022年に入ってからは、東京でも不動産価格の上昇が顕著ですが、そのもっと以前から、台湾(特に台北市)の不動産価格は上昇の一途をたどってきました。
それに引き換え、台湾はまだまだ、個人の可処分所得(給料)の水準は日本に比べて低く、例えば大卒の初任給で言うと日本の半分くらいしかありません。最近は円安がものすごい勢いで進んでいるので、実質的には為替の影響でその格差もジワジワと狭まってきてはいますが・・・。
「不動産価格は高いけど、可処分所得は低水準」。
これが何を意味するか。
1.若者が家を買いづらい
まず、普通の給料をもらっているだけでは、若者が「不動産を買う」というのはものすごい高いハードルになっています。特に台北市中心部などでは、とても手が届かない価格で流通しています。
結婚をしても、夫婦共働きが当たり前です。子供が生まれても、例えば実家の親に面倒を見てもらうとか、シッターサービスを活用して夫婦で働きに出ています。僕の周りの知り合いでも、多くの女性が出産後数週間で普通に社会復帰しています。
若者の選択肢としては、
1.安いアパートやマンションを借りる
2.引き続き親の元で住み続ける
の二択がほとんどとなります。
2.利回りが異常に低い
反対に、お金持ちで、マンションを所有している「大家さん」からすれば、高い家賃が取れないということになります。「高いお金を払って不動産を買っても、安い家賃しか回収できない」という構図が生まれます。
結果的に、いわゆる投資利回りは極めて低く、台北市内の物件で投資しようとしても1〜2%しか投資利回りが得られない、という現象がずっと続いているわけです。
東京都心では、だいたい4%前後の利回りを確保できる投資物件がたくさんあるため、不動産投資を検討している台湾人からすれば、自ずと海外、特に地理的にも近い日本、東京の物件は否応なく魅力的に映ります。
台湾の不動産相場
上記表は2021年4月現在のものです。字が小さいので拡大してみていただければと思いますが、それぞれの主要なMRT駅単位で、坪単価の相場が記載されています。
最も坪単価が高いのは台湾のシンボルタワー「台北101」があるエリアで、この表で見ると275万元/坪となっています(実際はもっと坪単価は高いですが)。今のレートで換算すると、1240万円以上です。
念の為触れておきますと、この坪単価は「マンション」価格の坪単価です。
東京で言えば、六本木とかと同様の水準です。
この表では、表の外側に行けば行くほど郊外になっているので、表の外側に向かうにつれて坪単価が下がっていく、という図式になっています。
現場に行ってみた
今回、視察も兼ねて、台湾の新築分譲マンションのモデルルームに行ってきました。
場所は台北市、新北市から少し南西に位置する「桃園市」にある新築マンション。
台北駅から、桃園国際空港を結ぶMRT(紫色のライン)沿いで、桃園国際空港まで二駅という立地です。
左側はMRTの高架。台北中心と比べてまだ建物もまばら。
あちこちで建設ラッシュです。
完成間近なものもあれば、更地状態の物件まで。
マンションの広告看板が乱立しています。
モデルルームもたくさん。
今回は↓のモデルルームにお邪魔しました。
モデルルームもなんともゴージャスで広い。
雰囲気は日本のモデルルームに近いですね。
マンションの完成予想模型。職業柄、こういうのを見ると、飽きずにずーっと見ていられます。笑
周辺マップ模型。こういうのも見てるだけでなんだかワクワクします。
お部屋のタイプはかなり多く、それぞれがとても高級感があります。日本のマンションよりも、石タイルなどを床や壁に多用する傾向が強く、壁も「壁紙」を貼る風習はほぼありません。だいたい「塗壁」か「タイル壁」です。
このエリアでの新築分譲単価は、視察当時時点で大体25万元〜35万元/坪。台北中心部の10分の1くらいです。
それでも、国際空港まで近いというアクセスの良さもあり、また街全体も俄然開発ラッシュなので、確実に5年後、10年後は値上がりする場所です。
今資金に余裕のある人は、このような場所で不動産を購入し、インカムゲイン(賃料収入)ではなく中長期的視野でキャピタルゲイン(売却差益)を狙うのも面白い場所ですね。
僕もお金があったら欲しいー!!!
ということで、誰かお金ください。笑